暗号資産やNFTの確定申告にクリプタクトを使いこなす!
コレクションとしてNFTを購入し、更にそれらの売買により利益を得たりすることは楽しいものです。
半面、毎年確定申告の時期になると、特に暗号資産やNFTの取引を行っている人にとっては頭の痛い時期にもなります。
これは暗号資産やNFTの損益計算があまりに複雑で難しいことによります。
確定申告を楽に乗り切る方法として、損益計算ソフト、クリプタクト(Cryptact)を使い損益計算を行うことをお勧めします。
ここではクリプタクトの具体的な使い方について解説していきます。
目次
損益計算の手順概要
①クリプタクトにアカウント登録する
②有料プランに変更する
③取引所からデータを取得
④NFT取引履歴をダウンロード
⑤NFT取引履歴を作成してアップロード
⑥アップロードしたデータに不備がないか確認
クリプタクトに登録する
この公式ページを開きアカウント登録していきます。
登録手順
「無料アカウント登録」をクリックします。
「メールアドレス」を入力し、「私はロボットではありません」にチェック、「送信する」をクリックします。
メールが届くので「メールアドレスを確認」をクリックします。
「パスワード」を設定して「アカウント登録」で登録は完了です。
登録した「メールアドレス」と「パスワード」でログインします。
算定方法は「総平均法」で「続ける」をクリックします。
以上で初期設定が完了です。
有料プランに変更
ログイン後に右上に表示されているアドレスをクリックして、アカウントをクリックします。
「プラン設定」タブを選択し、「プランを変更する」をクリックします。
使いたいプランの右にある「選択する」をクリックします。
ここでは「お試しプラン」を選択しました。
料金と期間を確認し、問題がなければ支払い方法を入力して「支払いを確定する」をクリックします。
これで有料プラン(ここでは「お試しプラン」)の利用ができます。
主なプランと機能比較
海外取引所をお使いの方は「ライトプラン」以上の契約が必要です。
「お試しプラン」では海外取引所が未対応です。
「アドバンスプラン」以上になるとメタマスクが接続できるので、カスタムファイルを自分でつくらなくても大丈夫です。ただし場合によっては修正が必要です。
その他に「プレミアムプラン」や「億り人プラン」等もありますが、料金もそれなりにかかりますので自分に合ったプランを選択しましょう。
先にも述べたように私はまず「お試しプラン」を使用してみました。
料金プランの詳細については下記リンクを参照ください。
履歴データをダウンロード
クリプタクトにアップロードするために暗号資産取引所の履歴データや、メタマスクでのNFT取引履歴等のデータを準備します。
暗号資産取引所bitFlyerからデータを取得
暗号資産取引所bitFlyerを例として、履歴データをダウンロードする場合を説明します。
bitFlyerの「お取引レポート」から「お取引レポートのダウンロード」をクリック。
表示画面を下にスクロールして、下記画面のすべてのお取引の「申請」をクリック。
申請すると「申請済」に変わります。
自分宛てにメールが届きます。
メール内のURLをクリックします。
開いた画面の「ダウンロード」をクリック。
これでbitFlyerの取引履歴のダウンロードができました。
仮想通貨の損益計算は過去取引も加味して計算する必要があるため、今年度以前から取引を行っている場合は過去の履歴データからすべてダウンロードしましょう。
これを行わないと計算が正しく行われません。
取引履歴のダウンロードファイルは下図のようなファイルです。
クリプタクトにアップロードする方法は以下のところで説明します。
NFT(メタマスク)のカスタムファイルを作成する
NFT取引履歴をダウンロードし、クリプタクト専用フォーマットを用いてカスタムファイルを作っていきます。
NFT取引履歴をダウンロード
メタマスクを使ったNFTの取引履歴データをダウンロードする方法です。
ここでは、Engr(エン)さん のツール「Payment History」を紹介します。
大変優れたアプリです。
【作ったツールの紹介】
— Engr(エン) & hack the 💻 world (@engr5050) September 30, 2022
Payment History(Ethereum) をリニューアルしました☀️
✅ ❤️ NFT以外の取引も可能な限り表示
✅ ❤️ 最大1,000件
✅ 当時のETH/JPYで換算
✅ CSVダウンロード可能
✅ ウォレット接続なし
🔗 https://t.co/wyNR5Q2W5m
☀️お気軽にお試しください☀️ pic.twitter.com/Xx3QgpeFa5
使い方は、下図エンさんツールの赤枠リンクを開き、「イーサリアム」か「ポリゴン」を選択しウォレットアドレスを入れて表示された履歴をExcelファイルで「Export」します。
ミント用、保管用の複数ウォレットを持っている人はそれぞれのウオレットごとに履歴を取得しましょう。
イーサリアムかポリゴンを選択します。
以下はイーサリアムでの例です。
ウォレットアドレスを入れ、「ETHEREUM」をクリックすれば履歴データを取得できます。
これはイーサリアムの履歴取得の画面ですが、ポリゴンも同様に取得し、エクスポートしておきましょう。
クリプタクト専用フォーマットのダウンロード
クリプタクトにアップロードするために、下記の専用フォーマットをダウンロードします。
特に理由がなければExcel版をお勧めします。
必要情報を専用フォーマットにコピペ
ダウンロードしたクリプタクト専用フォーマットに、エンさんツールのExcelファイルの必要な項目の内容をコピペしていきます。
この専用フォーマットを完成させてカスタムファイルを作っていきます。
エンさんツールで使用するのは下図の色のついている項目だけです。
エンさんツールの各項目の内容を専用フォーマットにコピペして行ってください。
実際のファイルでのコピペイメージは下図です。
なぜこんなことをするのか?
の疑問をお持ちの方もいると思いますが、クリプタクト専用フォーマットの決まりなので今は深く考えずに忠実に進めてください。
コピペが終わったら、エンさんツールでの履歴データをみながら専用フォーマットのComment欄に取引内容をメモしておきましょう。
クリプタ専用フォーマットの各項目の意味するところは次の通りです。
クリプタクト用に書き換えるファイルイメージ
エンさんツールから専用フォーマットに必要項目をコピペしたファイルの例が下図です。
これを後述するルールに従って、クリプタクト専用フォーマットに書き換えたカスタムファイル(完成型)は下図になります。
クリプタクト用に書き換えるための具体的な方法・ルール
ここからの作業は、多少の疑問が湧く部分もあると思いますが先ずは指示通り忠実に進めてみてください。
使い続けるうちに次第に理解できるようになる、というのが私の実感です。
以下、クリプタクト用に書き換えていくための具体的な方法・ルールです。
項目ごとに着実に進めて行ってください。
Action列から不要な行を削除する
エンさんのデータにはエアドロで入ってきた詐欺NFTや、損益に関係ない行も含まれており、それらを削除していきます。
- 「FreeMint/AirDrop」と書かれているもので「Fee」が0の行
送られてきた詐欺NFTのようなもの - NFTの受取に該当する行
ただし、フリーミントや時価のあるNFTを受け取った行は残しておく
例)CNPを貰った、自分がフリーミントで手に入れた 等 - Receive行
ETHの受取のためで、損益には関係ないもの
Action列の該当する行の内容を変更していく
下記Actionはガス代のみ発生する取引のため、Action列を「SENDFEE」に書き換えます。
- SafeTransferFrom
NFTを送信した時の行 - CancelOrder
NFTのオファーをキャンセルした時の行 - Send
通貨を別ウォレットに送信した時の行 - SetTokenLockOfTokenOwner
NFTをウォレットにLockした時の行 - SetApprovalForAll
「SetApprovalForAll(承認行為)」をした時の行 - TX Error
NFT取引でミント失敗した時の行 - Approve
承認行為をした時の行
下記取引はNFTを購入する取引のため、Action列を「BUY」に書き換えます。
- Buy
OpenSea等でNFTを購入した時の行 - Mint
ミントサイト等でNFTをミントした時の行 - BidWon
オファーしたNFTが承諾されたときの行 - Claim/MintBatch
フリーミント等でNFTを手に入れた時の行
各種取引での入力例
NFTを購入した時の入力
- Sourceは任意
- Actionは「BUY」
- Baseには「USER-○○」の形で入力する。
○○はNFT名を入れ、半角数字・半角英大文字・(#)が15桁まで入力可能。小文字は不可。 - Volumeに「数量」
- Priceは「1体当たりの価格」
- CounterとFeeCcyは「ETH」
- Feeには発生したガス代
NFTを売却した時の入力
- Sourceは任意
- Actionは「SELL」
- Baseには「USER-○○」の形で入力する。
○○はNFT名を入れ、半角数字・半角英大文字・(#)が15桁まで入力可能。小文字は不可。 - Volumeに「数量」
基本は1
- Priceは「売却価格」
- CounterとFeeCcyは「ETH」
- Feeには発生したガス代
ガス代のみ発生時の入力
- Sourceは任意
- Actionは「SENDFEE」
- Baseに「ETH」
- Volumeに「ガス代」
- Priceは「空白」
- CounterとFeeCcyは「JPY」
- Feeには0を入力する
フリーミント時(ガス代発生)
- Sourceは任意
- Actionは「BUY」
- Baseには「USER-○○」の形で入力する。
○○はNFT名を入れ、半角数字・半角英大文字・(#)が15桁まで入力可能。小文字は不可。 - Volumeは「1」
- Priceは発生したガス代
- CounterとFeeCcyは「ETH」
- Feeは「0」
スワップ時の入力
ETHをWETHに交換した場合の入力例は下記の通り。
- Sourceは任意
- Actionは「BUY」
- Baseには交換後の通貨
- Volumeに「交換数量」
- Priceは「1」
- Counterは交換前の通貨
- Feeには発生したガス代
- FeeCcyは「JPY」
クリプタクトにファイルをアップロードし確認する
bitFlyerからダウンロードした取引履歴データと、
エンさんツールを利用し作成したNFT取引のカスタムファイルを、クリプタクトにアップロードしていきます。
取引履歴一覧の右にある「取引履歴追加」をクリック。
「ファイルをアップロード」をクリック。
取引履歴をアップロード
取引所(ここではbitFlyer)を選択。
先にダウンロードしてあったbitFlyerの取引履歴ファイルを所定の場所にドラッグします。
続けて右下の「アップロード」をクリックすれば取引履歴はアップロードされます。
これでbitFlyerでの取引履歴がアップロードされました。
前の説明でも述べましたが、過去の取引履歴全部をアップロードしておきましょう。
カスタムファイルをアップロード
続いて、自分で作成したNFT取引のカスタムファイルをアップロードしていきます。
下図の「カスタム」をクリックします。
下図に作成したカスタムファイルをドラッグして「アップロード」をクリックすればアップロードされます。
アップロードが完了すれば、下図のような表示となり、今年度の「実現損益」も出てきます。
アップロードしたデータに間違いがないか確認
画面左上の「取引履歴一覧」をクリックします。
これが今年度の取引履歴一覧です。
実現損益も表示されます。
特に警告などが出ていなければOKです。
ここに表示されている右上の数字が暗号資産やNFT取引による今年度の「実現損益」です。
確定申告書に記載していきましょう。
実際の確定申告のやり方の詳細は下記リンクを参照ください。
警告文(未分類取引)への対応
データをアップロードすると下図のような警告文が出ることがあります。
取引履歴一覧から該当する箇所を探し、編集することができます。
先ず詳細内容を確認し、必要なら編集をクリックします。
編集画面で修正し「保存」で完了です。
原因が特定でき箇所が多い場合はカスタムファイルを修正し、アップロードをやり直します。
まとめ
青色申告を含む確定申告を始めて10年ほどになります。
今年度、初めて暗号資産やNFTの確定申告の検討をやってみました。
想像していた以上に大変で挫折しそうになっていたところ、クリプタクトというアプリに出会い何とか損益計算をやることができました。
皆さんも是非活用してみてください。
私はもともとエンジニアで、税金のことは素人です。
実際の確定申告での相談は、専門の税理士の方にご相談されることをお勧めします。
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