自宅マンションのホームネットワークを徹底解析しネット動作を向上させる

私は20年ほど前から自作PCに加え、アナログ電話回線モデムやADSLモデム利用の時代からインターネットを使用し続けてきましたが、今や光通信が当たり前になってきています。

自宅のネットワーク環境について、普段あまり気にしていなかったようなプロバイダー、ルーターやその他のデバイス、LAN配線等について見直してみると、
ネットワーク動作の向上へのヒントが得られることがわかります。

これまでに、PCのメモリやストレージの適正化、さらにOSの初期化等での機能回復について説明を行ってきました。

今回はそれとは別に、自宅マンションを例とし、各種ネットワークやデバイスの最適化への対応ができるように解説していきます。

これを機にご自分のネットワークについて理解し、必要に応じての見直しをお勧めします。

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自宅ネットワークの状態を調べて整理する

自宅マンションのホームネットワークを整理し、図1に示します。

マンション入居時から10年以上経過しているため、多少記憶があいまいなところもあります。

マンションであるがゆえにの制約もありますが、それぞれのデバイスやネットワーク配線の確認をしました。

この図は自宅ネットワークの主な構成を示したものです。

図 1 ホームネットワーク

マンション全戸一括型インターネットサービス

マンション入居時(2007年)に「マンション全戸一括型インターネットサービス」への加入が必須条件でした。

その主な内容は以下の通りです。
回線速度やLANケーブル等は最近ISPに確認し、実際に自分でも検証した内容です。

・ISP;インターネットサービスプロバイダー UCOM光レジデンス
    (入居時USENのGYAO光から途中でUCOM光に変更)

・回線速度;マンション共用部まで 1Gbps
      マンション共用部から居室まで 1Gbps
      (ベストエフォート)

・LAN配線方式、LANケーブル CAT.5(GECL-9004R CAT.5e相当)       

・使用料;1,320円/月 と格安

・IPアドレス方式       グローバルIPアドレス

ホームネットワーク図の補足説明

図1ホームネットワーク に従って補足説明します。

・①、② 外部のISPからMDF(共用部配線盤)まで光ファイバーで配線

・③ 集合型ONU(光回線終端装置)で光ファイバーからLANケーブルへ変換

・④ MDF(共用部主配線盤)から各居室(ゲートウェイ)までLAN配線方式

・⑤ 入居時は、(ゲートウェイ)にスイッチングハブ(ルーターなし)が設置されていた。
   これを自分で有線LANルーター(ブロードバンドルーター)に変更

・⑥ 浴室天井裏の配線盤 (有線LANルーター、電話配線、TVアンテナ線等)

・⑦ 室内のマルチメディアコンセントから、LANケーブルで無線LAN親機を設置。
   ブリッジモード(APモード)で設定(2重ルーターを避けるため)
   この無線LAN親機から、ノートPCやスマホその他と無線接続。

・⑧、⑨、⑩、⑭ 無線LANで接続された各種デバイス
   ノートPC、タブレット、スマホ、プリンター/スキャナー その他

・⑮ 有線LANルーターのLANポートから、各部屋のマルチメディアコンセント4か所へ
   LANケーブルで配線 CAT.5 (GECL-9004R CAT.5e相当)
   図2マルチメディアコンセントを参照。 

・⑪、⑫、⑬ NASやデスクトップPC等有線LAN接続。
   NASはすべてのPCで共有するデータストレージとして使用。
   デスクトップPCは主にオンライン会議等に使用。

図2 マルチメディアコンセント

ネットワーク上の特筆すべき事項

スイッチングハブを有線LANルーターに交換

入居時にはゲートウェイにルーターなしのスイッチングハブが設置され、その出力LANポートからそれぞれマルチメディアコンセントのLAN端子へ接続されていました。

IPアドレスもグローバルIPのみが割り振られており、複数台のPC使用時の動作が不安定で余りにも実用的でないため、結局自分でスイッチングハブを有線LANルーターに交換しました。

ルーターはギガビット対応のイーサネット(1000BASE-T)です。

理論上は、LANポート付きの無線LANルーターでもよかったのですが、浴室天井裏への設置で、特に5GHz帯での通信障害への不安もあり無線LANルーターは居室におきました。

図3が有線LANルーター設置後の状態です。

図 3 浴室天井裏の配線盤

無線LANルーターの設置

先に説明したように、居室のマルチメディアコンセントを通して無線LAN親機を設置しました。

Wi-Fi規格の11acで1300Mbpsの転送速度を持っています。

主にスマホやタブレット、ノートPC、プリンター等に接続しています。

ここでの注意点はすでに有線LANルーターを設置しているので、この無線LAN親機はルーターモードでの使用はできません。
必ずブリッジモード(APモード)での設定が必要です。

2重ルーターを構成してしまうと、回線速度の極端な低下やその他動作が不安定になることがあります。

住居内のLAN配線

図4は住居内のLAN配線です。

LANケーブルはCAT.5(GECL-9004R CAT.5e相当)が使用されています。

ルーターのLANポートから各部屋のマルチメディアコンセント4ヶ所にLAN配線され、そこからPC等のデバイスに接続されます。

通信回線の安定が必要なリモート会議等は有線LANに接続したPCを利用しています。

他のデスクトップPC、NASもこの有線LANを使用しています。

図 4 ルーターとLAN配線

転送速度と対応ケーブルについて

実際のネットワークでは、PCやルーターなどの通信速度を確認し、その速度に合った規格以上のケーブルを使う必要があります。

例えば、PCやルーターが1Gbpsの1000BASE-Tに対応しているのであれば、利用するケーブルは1GbpsのCAT.5以上が必要になり、
2.5Gbpsの2.5GBASE-Tで使うならCAT.5e以上が必要ということになります。

自宅ネットワークでは1000BASE-Tで転送レート1Gbps、ケーブルはCAT.5(GECL-9004R)で構成されています。

現状でLANケーブルを購入するならCAT.6を選べば間違いないでしょう。
というか、店頭にCAT.5やCAT.5eはほとんど置いていないと思います。

図5はETHERNET規格と対応ケーブルの表です。

図5 ETHERNET規格

自宅ネットワークのLANケーブルを確認

浴室天井裏に配線されているLANケーブルを再度確認してみました。

以前、CAT.5の文字をみて100MbpsのCAT.5だと思い込んでいましたが、

図6のように「GECL-9004R」の文字を改めて確認しました。

調べてみると、昭和電線製の1000BASE-T(1Gbps)対応のケーブルと判明し、CAT.5でも1Gbps対応のケーブルであることが確認できました。

図6 LANケーブルの確認

回線速度の実測値

有線LANと無線LANで、インターネット回線速度の実測を行った結果を図7、図8、図9に示します。

なおISPから提示の回線速度はベストエフォートで下記の値です。
 マンション共用部まで1Gbps
 マンション共用部から居室まで1Gbps

スピードテストサイトは昔から使っているUSEN GATE 02を使いました。

図7 有線LANスピードテスト
図8 無線LAN 2.4GHzスピード
図9 無線LAN 5GHzスピード

回線速度の実測値は概略以下のような結果になりました。

有線LAN     約100Mbps

無線LAN 2.4GHz 70~90Mbps

無線LAN 5GHz  約250Mbps

無線LAN 5GHz > 有線LAN >無線LAN 2.4GHz

有線より無線の方が早いのを不思議に思う方も居られると思いますが、無線LANルーター親機はWi-Fi規格「IEEE802.11ac」です。

11acとは、「Wi-Fi 5」といわれ、以前の11nに比べ速さが11.5倍となり、無線であっても高速通信が可能になったことでこのような現象が起こったと思います。

当時はこれでも高速でしたが、現在市販されているのはWi-Fi6の11axが主流で9.6Gbpsです。

但し現実には、100Mbps前後のスピードが出ていれば実用上困ることはほとんどありません。

またPING値(応答速度)はそれぞれ4ms程度なので、ゲーム等でも問題ないレベルです。

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快適なインターネット回線を保つために

自宅マンションのネットワーク全般について整理してみましたが、現在の課題と今後の対応について考えてみます。

日常の生活でネットを検索する程度なのか、頻繁に動画をみるのかによって、快適なインターネットの速度は異なります。

ここでは回線速度の目安をまとめてみました。通信速度だけでなく、ping値の基準値も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

回線速度の目安を知る

現在の環境下での通信速度を確認し、以下図10に表した速度と比較してみてください。

普通にインターネットを使うだけなら、平均で30Mbpsあれば快適です。

データの重さによって、回線速度の目安は変わりますが、30Mbps以上なら基本的に問題ないでしょう。

もし高画質の動画や、オンラインゲームを楽しむなら、100Mbps以上が目安となります。

図10 回線速度の目安

図11はPING値の目安について整理してあります。

PING値(応答速度)は、50ms以下であれば、インターネットを快適に利用できます。

ただしオンラインゲームをするなら、30ms以下が目安です。

通信速度が速くても、ping値の遅いインターネット回線があるので、スピードテストをするときは注意してください。

図11 PING値の目安

IPv4とIPv6について

IPv6はあくまでもプロトコルの種類であって、IPv6を使うだけでは速度が速くなるという訳ではありません

各プロバイダーのインターネットの接続方式は、主に「IPv4 PPPoE」と「IPv6 IPoE」の2つに分類されます。

IPアドレスをIPv6にすることにより、従来のPPPoEに加えIPoEでの接続を行うことができるようになり、速さの秘訣は接続方式「IPoE」にあるのです。

「IPv6 IPoE」はトンネルの無い高速道路を走るイメージで、トンネル出口の渋滞がないため、車本来が持つ性能を発揮できるというようなイメージです。

自分のプロバイダーISPがIPv6に対応しているか否かは、下記で確認できます。

IPv6接続性のテスト

残念ながら私のISPはIPv6には対応していませんでした。

将来的にはIPv6接続サービス対応のISPに変更することも検討します。

回線速度が遅くなった場合の対処法

最近何となく速度が遅くなった感じがする、といったような経験はだれしもお持ちのことと思います。

そのような場合、最低限以下の項目の確認と対応をしてみてください。

PCやブラウザーでの対処

・PCのOSやドライバーのアップデート
 WindowsなどのOSは最新版にアップデートしてください。
 ネットワークドライバーの問題が解消され、通信速度が回復することがあります。

・ブラウザーの更新、キャッシュクリア
 ChromeやEdge等のブラウザーは最新状態にアップデートしておいてください。
 また長期間使い続けているブラウザーのキャッシュを削除することも有効に
 作用することがあります。

ルーターへの対応

・ルーターの機種が古い場合速度が遅くなることがあります。

 その場合は、新しい機種に買い替えてください。

・ゲートウェイの有線ルーターや無線ルーターを再起動する
 モデムやルーターは、電源を入れっぱなしにして長く使い続けていると「熱を持つ」
 「ログがたまる」「回線が混雑する」などの不調を起こしてしまうことがあります。

 ルーター再起動は、それぞれ機器の電源を一旦切り数分してから電源を入れるだけです。
 これは意外と効果を感じることがあります。
  是非試してみてください。

・接続している端末の数が多いと、インターネットの通信速度が遅くなります。
 接続している端末の数を減らしてみましょう
 そうすることで通信速度が向上する可能性があります。

ルーター再起動の操作について

私の場合マンション浴室の天井裏に有線ルーターが設置されており、再起動のたびに天井裏で電源ON/OFFの操作するのは現実的ではありません。

LAN接続されたPCから、ルーターの設定画面を開いて「再起動」を行います。

これで天井裏での操作をすることなく、再起動ができます。

操作のやり方の詳細はここでは省略しますが、ブラウザーにIPアドレスを入力しルーターの設定画面を開きます。

そこの管理画面から「再起動」を行えば、80秒ほどで操作は完了します。

図 12 ルーターの再起動

<補足>

Buffaloの無線ルーターをブリッジモードで使っていますが、ChromeやEdgeのブラウザーで、IPアドレスは正しいのに設定画面が開けないことがあります。

このような場合、ブラウザーをFirefoxで試してみてください。私の場合はこれで開けました。

有線ルーターの方は、ChromeやEdgeのブラウザーで問題ありませんでした。

無線LANの場合

Wi-Fiの接続先には2.4GHzと5GHzの2種類があります。

状況に応じて、この種類を切り替えてみましょう。それだけで、回線速度が改善される可能性があります。

回線の問題

通信速度が遅い原因が回線にある場合は、利用時間帯を変えるか、回線を乗り換えるしか解決策がありません。

先に説明しましたが、IPv6規格かつIPoE方式に対応している回線を利用することで、インターネットの通信速度が上がる可能性があります。

その場合は、「IPv6規格のIPoE方式に対応している回線に乗り換えるのがおすすめです。

まとめ

私の場合、現状での回線速度やPingでの問題はありませんが、やはり将来においてボトルネックとなるのはLANケーブルであると思います

最近、当マンションで「NURO光」による光配線への切り替えが可能なことがわかってきました。

 内部配管を使って新たに光配線を行い、公称最大2Gbpsとのことで、将来においての検討項目として考えたいと思います。

マンションであるがゆえに「マンション全戸一括型インターネットサービス」のような格安な料金でのメリットがあります。

 半面、個別に光配線をやるような場合一戸建てのようなわけには行かず、共用部への工事等の制約を受けることも多くあります。

 これまでの説明で、インターネット回線がどのように構成されているかを正しく理解すれば、不具合が起こった時に適切な対処を行うことができます。

この記述が、マンションや戸建てを問わず、ネットワークでいろいろと悩んでいる方々に少しでも参考になれば幸いです。

 

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